「自分には才能がない」と考える前に

 

仕事で壁にぶつかったり、自分の能力に対する自信を失くしてしまった時、自分には才能がない」「自分には能力がない」と考えるのはある意味楽だ。
試合放棄して、楽な方向に逃げてしまえるのだから。

だが、そう考える前に先ずやることがある。

もちろん私自身も、MITではものすごく勉強した。授業が終わると、明け方の四時まで机に向かい、それからわずかに仮眠をとって、翌日の授業に出るというのが当たり前だった。週末に寝だめするしかないくらいに、それはきついものだった。正直いって、成功したいというよりも失敗して帰るわけにはいかない、というところから根性が生まれていたように思う。

即戦力の磨き方 – 大前研一

コンサルティング・グールー大前研一だって、日々食っちゃ寝の生活をしてマッキンゼーのトップになったわけではないはず。成功する人間は、若い頃それこそ死に物狂いで努力する期間があるんじゃないか。地頭の違いを言い訳にするのは簡単だが、先ずは自分なりに努力してみるべきだ。

僕はそれまで、「自分には才能がない」と思っていたんです。ずっと後で分かったことなんですけど、それは才能のあるなしではなくて、別のものだったんです。

僕には「引き出し」がなかったんですね。

「天才だ!」と僕が思った人たちは、入社する前からアニメや漫画が好きで、アニメに対する素養があったのに、僕にはそういう引き出しがなかった。引き出しもなくて努力もしないで、いきなり彼らと伍そうと思った。入社してすぐに「あいつらは才能がある、俺にはない」という仕分けをしちゃって。それは大きな間違いで。

才能ではなく、引き出しの違いというのに気がつくのに、ずいぶんかかりました。

「まわりが“天才だらけ”の中で、どう生き延びる?」(高橋良輔インタビュー、日経NBOnline)

優秀な人間に囲まれていると、自分が役立たずで何の役にも立たない惨めな人間のように感じる時もあるけど、冷静にならなくてはならない。落ち込んでいる暇があったら、「引き出し」を増やす努力を必死ですべきだ。

優れたハッカーに出会うと、「この人には敵わない」「このようなコードは書けない」と感じることがあります。

その皮膚感覚自体は正しいと思いますが、それは「現時点では」という条件付きであることを認識することが大切です。
現時点でどれくらい実力に差(開き)があり、どうすればをそれを埋められるかをきちんと分析することを心がけましょう。
経験上自分の実力が低いうちは、とかく周りがすごく見えてしまいますが、それは間違いであることが多いです。

天と地ほどの差があり一生追いつけないと思っていても、後になればせいぜい数十メートルの差だったなんてことは良くあります。
僕の場合、「インタプリタ書ける人は別世界の人だ、自分には絶対書けない」とずっと思っていましたが「計算機プログラムの構造と解釈*1」という本を読んでインタプリタを実装できてしまいました。
いかに過去の自分の見積もりが甘かったかを痛感しました。

差を見誤った結果、「到底追いつけない」「自分には無理だ」と思って可能性を閉じてしまうのは勿体ないので「差を知る」ことを心がけると良いでしょう。

ハッカー養成塾:ハッカーへの遠回り – Higepon’s blog – Mona OS and Mosh

これも、基本は同じである。
To-Beとの差分を意識し、一日30分でもいいから努力を続けること、情熱を持ち続けることが重要である。