iPadで学ぶ英語学習法
学生時代は外国語学部で英米語を専攻していたこともあり、「日本にいながらにして、いかに英語(英会話)を習得するか」は、長年考え続けているテーマだ。学生時代は大学の授業でSLA(Second Language Aquisition)理論のさわりを学んだり、TOEICの勉強も随分やった。TOEICの勉強はスコア900までいったところで、満足してやめてしまったけど。 日本では英語の運用力の尺度としてTOEICが使われることが多いが、TOEICのスコアが高いからといって、現実世界での英語運用力があると言い切れるかどうかについては、私は懐疑的だ。もう細かいことは忘れてしまったけど、TOEICにはスコアを取得するためのコツのようなものがたくさんあった。所詮は机上のテストでしかないので。結局、それはTOEICの勉強を通じて「スコアをとるためのコツ」を習熟させていたに過ぎず、ビジネスの場や日常生活で、英語を読み、書き、聞き、話すには、別のトレーニングも並行してやる必要がある、ということをいつもモヤモヤと考えていた。 社会人になってから英語で困ったことは特になかったが(なぜなら、旅行ぐらいしか英語を使う機会がなかったため)、所属している会社が従来以上に海外ビジネスに力を入れていくということで、久しぶりに英語の勉強をがんばってみるかと思い立った。その際、去年購入したiPadを随分活用できているので、その内容を共有したい。ある程度、英語の基礎的な能力がある人向け。 (2014/3/28追記) iPhone版の勉強法も書きました。 iPhoneでの英語の勉強には、「パーフェクトビジネス英会話」がおすすめ なお、私の英語学習法は、元Google日本法人社長、村上 憲郎さんの『村上式シンプル英語勉強法―使える英語を、本気で身につける』がベースになっている。英語学習の本は色々読んできたが、この本は本当にいい本だ。30分もあれば読めるほどシンプルだし、「日本で英語を学ぶ」ための本質的な内容が詰まっている。村上式シンプル英語勉強法は、以下の5つのポイントに分けて記述されている。 ・聞く ・読む ・単語 ・書く ・話す 1、iPadで「聞く」 聞くについてはiPhoneでも十分なのだが、通勤時間にはiTunesにて無料でダウンロードしたUSのpodcastをiPadで聞き、耳を慣らしている。 お気に入りはCNNのBuzz Out Loud、HBR(Harvard Business Review) IdeaCast、Wall Street Journal This Morning、The Economistなどだ。これらpodcastはそれぞれに特徴があり、飽きがこない。Buzz Out LoudはIT系のトピックのマシンガントークが刺激になるし、HBR IdeaCastは電話でのインタビューのくぐもった声を聞き取るトレーニングになる。Wall Street Journalはニュース英語や時事トピックへの慣れ、The Ecomonistは英国人特有のアクセントへの慣れにつながる。これら複数のpodcastを週次ぐらいの頻度で最新化し、iPodのシャッフル機能を利用してランダムに聞いている。ヒアリングが苦手な人にとって最初は苦痛かもしれないが、継続していると英語脳が少しずつ形成され、「日本語が英語に聞こえる」タイミングがきっと訪れる。 あと、アメリカに旅行する機会がある人は、アメリカでiTunesのプリペイドカードを購入して帰るといいかも。USのiTunesで「フレンズ」や「Twenty-Four」等の海外ドラマが安くまとめ買いできるので、ヒアリングのトレーニングをドラマを楽しみながら実行することができる。 2、iPadで「読む」 読むについてはiPhoneよりも画面が大きく文字を読みやすいので、iPadが圧倒的におすすめ。iPad版のKindleをインストールし、USのAmazonで海外の本を買っている。円高なのでKindle版の本を安く買えるし、鞄にiPadさえいれておけば本を何冊も持ち歩けることになる。Facebookが好きな人ならザッカーバーグの本とか、流行りのドラッカーを原書で読んでみるとか。自分の専門分野の本、IT系やマーケティングの本、投資の本とかを読めば、仕事のプラスにもなるし、リーディングの訓練にもなるし、一石二鳥。ちなみに、KindleにはOxford american dictionaryがついてくるので、「英単語の意味を英語で理解する」という訓練もやることができる。 3、iPadで「単語」を覚える 単語については、英単語の本をScanSnapで自炊し、GoodReaderでぺらぺらページをめくって目を慣らしている。じっくり見るんじゃなくて、村上式にある通り、数多くの単語をざっと眺め、瞬時に英単語が意味する概念が頭に思い浮かぶよう、訓練すること。私は、『アメリカのビジネスマンがよく使う英単語』を通勤途中にぺらぺらめくっている。易しすぎず、難しすぎず、実際に英会話で使える単語が厳選されていると思う。 4、iPadで「書く」 iPadは、テキストや画像、動画等のビューワーとしては優れているが、正直入力装置としてはPCに劣る。Writingの訓練は当然ながら「書く」ことが重要なのだが、実際にペンやPCで書かなくても、「書く」トレーニングはできると考えている。私は、日本語の文章を読み取り、それを瞬間的に英文に翻訳するという訓練をやっている。色々な本が使えると思うが、私は『英語で日記を書いてみる 表現集編』が気に入っている。Amazonでの評価はいまいちだが、日常生活で起こりうる様々な場面について、「こういう表現ができるのか」というのが数多くのっているので、気に入って使っている。「これは使えるな」という表現は、村上式にある通りコツコツ表現を蓄積し、いつでも使えるようにしておく。 5、iPadで「話す」 「iPadで学ぶ英語学習法」に矛盾するが、「話す」はiPadでは厳しい。でも、前述の各種インプット、アウトプットの積み重ねが相乗効果を発揮し、話すというアウトプットにとってもプラスになるのは事実。 特に、4のiPadで「書く」の訓練である、「日本語の文章を読み取り、それを瞬間的に英文に翻訳する」について、実際に翻訳した内容を小声でつぶやいてみると、「話す」訓練にもつながる。電車の中等にいて、小声を出すのすら憚られるのであれば、発声するつもりで舌と口の中を動かす(うまく表現できない・・)だけでもいい。Speakingは口腔の運動であるから、頭の中に浮かんだ英文を基に口を動かすことは、よい訓練にもなる。 ちなみに、iPadでインプット/アウトプットしたことを実戦で試すため、私は秋ぐらいからBerlitzかGabaのプライベートレッスンに行こうか検討しているが、英会話学校に通わなくても、個人契約で3500~4500円/回でプライベートレッスンはできる。 http://www.teacher-student.com/ ※「マンツーマン英会話.